ダイエットをはじめると、とにかく痩せることに意識を集中していくのが日本人だ。痩せた姿を思い浮かべながらニヤニヤして痩せていく。
しかしダイエットで「痩せる意識」。日本人と外国人では大きな違いがあるようだ。いったいどういうことなのだろうか?
12.3%の日本人女性が痩せ型であるという調査結果がある。この統計は戦後から過去最多で話題を集めた。
外国人と日本人のダイエットに対する認識の違い
日本ではダイエットをはじめる人が続出している。新しいダイエットが誕生するたびに挑戦する人がいっきに増えるほどダイエット好きが多い。
バナナダイエットが話題になるとスーパーから消えるバナナ。
トマトダイエットが話題になるとスーパーから消えるトマト。
日本人の中でダイエット方法が話題になるたびに右から左に左から右に動く。ひょっとすると上から下、下から上に流れる人もいるかもしれない。
気持ちはものすごくわかる。「自分も痩せたあの人みたいになりたい」、「こんなに簡単に痩せるならわたしにもできそう」。みんなきれいになりたい。心が動かされるのは当然だ。
果たして外国人の間ではどうなのだろうか?ダイエット方法はアメリカ発信されたものが多い。セレブがハマっているダイエット方法が拡散されて世界に広がるパターンだ。
とにかく痩せたい日本人
「痩せているのにまだ痩せたいのはなぜ?」
外国人が日本人に対して不思議に思っていることだ。日本人の体型に似た体型を持つ外国人に「まだ痩せたい?」と聞くと「痩せなくていい。もう十分」と言う人が多い。
とにかく痩せたい日本人と現状に満足している外国人。
同じ体型でなぜこのような意識の違いが出てくるのだろうか?外国人女性からすると日本人女性は「なぜ痩せているのに痩せたいのか?」と疑問に思うことが多いようだ。
女子会の存在
女子会が盛んだ。日頃の出来事や愚痴を言い合う場になっている。
A
「この前さ~歩いていたら上から鳥のフンが落ちてきてさ~超サイアク~」
B
「マジウケる!超おもしろいんだけど~」
その中で女子会では「体型の話で盛り上がる人が多くいる」のだ。話したことはないだろうか?別に女子会の場でなくてもよい。仕事の休憩中、学校の休み時間、いつでもよい。
会話の中で「体型」に関するキーワードが出たことがないだろうか?そして大いに盛り上がったのではないだろうか?
A
「わたしダイエットはじめたの!」
B
「ほんと!?そういえば・・・」
C
「やっぱり!痩せて見える!」
B
「あ~たしかに痩せて見えるね。かわいい~」
なぜ他人の体型に関する話で盛り上がるのだろうか?そして、なぜ日本人は次々と新しいダイエット方法に挑戦をしてしまうのだろうか?
その理由は「コミュニケーションの道具」だからだ。
体型やダイエットの話は盛り上がる。「かわいい」と言われたら誰しも嬉しい。その一言だけでも努力した甲斐があるというもの。
女子会などの会話の中で、何かおもしろい話題がないかを見つけるコミュニケーションツールの1つになっているのだ。
- 努力をすること
- 頑張ること
- 結果を得る
ダイエットの3点セットである。
しかしこれは日本ですごく評価されていることでもある。例えダイエットに失敗していても自分から話す場合は誰も困らない。誰も傷つくことはない。むしろ「同調・同意」してくれる人も多い。
そのため、相手に気を使わない気軽なコミュニケーションツールとして使われているのだ。「痩せたね!」と言われると「ほんと~?」と否定しながらもついつい喜んでしまうのが日本人である。
女性は何歳でも「痩せる」と言われると嬉しいし喜ばしい。「痩せているという言葉は相手を気持ちよくさせる言葉」。そのこともあり日本人は痩せているのに痩せよう痩せようと思いがちだ。
「痩せる」は禁物。意味合いが違う外国人の考え方
「痩せた」と言われて喜ぶのは日本人特有のものだと知っているだろうか?外国人に「痩せた?」というと不機嫌になる可能性がある。
いったい彼女らは何に対して怒っているのだろうか?
外国では「細い」・「痩せている」について意識の違いがある。外国人にいう場合は注意が必要だ。細いという言葉や痩せているという言葉は、日本人とは違い褒め言葉に受け止められない場合が多いのだ。
では、気になるのは外国人が耳にした「痩せている」という言葉の受け止め方だ。どのように聞こえているかと言うと…。
「拒食症」
病気のイメージを強くもつ。外国で「痩せている」は拒食症を意味していると取られ、病気をイメージさせてしまうのだ。良かれと思っていったその一言が相手を傷つけてしまう。
日本で言うと、どの言葉にあたるのだろうか?
「ガリガリだね」
確かにこの言葉で喜ぶ人はいない。いるとしたら「おほほほほほ」の笑い方が特徴のワンピースに登場する骨人間キャラクター「ブルック」くらいだ。
外国人に「痩せている」と言うのは「病気なの?」と思われてしまい失礼にあたる可能性がある。
英語には身体が細い意味を持つスリムと、痩せこけたというSkin-ny(スキニー)がある。スキニーは「ガリガリで痩せすぎている」という単語だ。外国では「やつれている」イメージになる。
外国人のスタイルを褒めるときには、「グッド スタイル」や「ナイス スリム」を使うようにするとよい。
日本人は歴史的に数字が大好き!痩せたいと思う理由
上記以外にも痩せたい日本人の理由はある。
日本人は体重を聞かれてすぐに答えられる人が多い。厳密にいうと答える人は少ない。知っているけど答えたくないのだ。
加えて日本人は自分の身長も知っている。なぜか身長はすんなりと教えてくれる日本人。人とはそういうものだ。
身長と体重をセットで覚えている人が多いのだが、一方の外国人は自分の体重を知らない人が多いのだ。街中で聞いてもほとんどの外国人が「知らない」と答えるだろう。
では、なぜ外国人は自分の体重を把握していない人が多いのだろうか?
その理由は、見た目重視の外国人と数字を基準にする日本人の違いがあるためだ。痩せているのにさらに痩せたい日本人女性は「数字」が関係しているのも要因の1つになっている。
モデルに憧れる日本人
1953年ミス・ユニバース世界大会で第3位に輝いたモデルの伊東絹子さん。スタイルのよい西洋人の中で第3位という快挙を果たし獲得した日本人女性だ。
「彼女のように美しくなりたい」
「綺麗になりたい」
彼女を見た日本人女性はそのように思うようになった。そして日本人女性はこの頃からスリーサイズを意識する。それ以前の日本人女性はスリーサイズを意識していなかったのだ。
西洋化が進むにつれて洋服が増えてくると、着物と比べて洋服は肌を見せる部分が多い。これまで隠れていた部分を不特定多数の他人に見せることになった。醜い自分の身体は恥ずかしくて見せられない。
自分の身体が他の人に見られるという意識から、スタイルのよい綺麗な身体になりたいと自然に思うようになったのだ。そのキッカケを作ったのが伊東さんだった。
カロリーを知りたがる国民性
しかしもう一人、日本人が数字に拘るキッカケを作った人がいる。商品や飲食店など多くの場所に表示されているカロリー表示の数字。そのカロリーの数字を広めたのが1970年に活躍した歌手の弘田三枝子さん。
カロリー数字はダイエットの参考になる非常に大切な指標だ。弘田三枝子さんは元々肥満体型だったのだが、わずか半年で痩せることできた。
いったい何をしたのだろうか?
当時あまり知られていなかったカロリーを意識する食事法を取り入れてダイエットをしたのだ。当時の日本では斬新だった。料理に含まれるカロリーを計算しながらダイエットをするのだ。
1日のカロリー量を守れば太ることはないという考えから、あっという間に「カロリー」と言う言葉と意識が日本中に広まっていった。弘田さんは17kgの減量に成功した。
身近に数字がある
この他にも、日本社会自体が数字と聞くと「良い数字を取らなければいけない」と思いがちだ。0点よりも100点がよいという意識がある。小さい頃から刷り込まれているのだ。
終戦後は、西洋文化に追いつかなければいけない日本。経済的にどのくらい発展したらよいのか?どのくらい工業製品をつくればよいのか?外国と肩を並べるにはどのくらいの生産を生み出せばよいのか?
数字
数字!
数字!!
高度成長期には「数字」をマスターする必要があったのだ。
まとめ 日本人は数字で外国人は見た目を重視
日本人は数字が好きだ。計算は嫌いな人が多いのだが、体重と身長の数字は好きな人が多い。一方の外国人は見た目のスタイルを重視している。
日本人と外国人ではダイエットに対する大きな意識の違いがあるのだが、きれいにダイエットをおこなう場合は、全体のバランスを取りながら上手に自分に合うスタイルを目指すことが大切だ。