1日の汚れを落とすためにお風呂に入る。ドラえもんのしずかちゃんは汚れていないのにお風呂に入ることもある。彼女はお風呂が好きなのだ。むしろお風呂が彼女の本体かもしれない。
このお風呂にはダイエット効果があることを知っている人は多い。中でも身体に負荷があまりかからずに長風呂ができる「半身浴」は人気がある。
しかしもっと効果を高くする入浴法が存在する。それは「高温反復浴」と呼ばれるものだ。名前を見るだけで疲れてきそうなのだが、いったいどのようなバスタイムになるのだろうか?
高温反復浴とは?ヒートショックプロテインを引き出す効果
高温反復浴はその名の通りに入浴をする方法だ。熱めのお湯に複数回出入りして身体に負荷をかける。身体に負荷がかかると交感神経が刺激される。刺激されたことで脂肪燃焼効果を高めるダイエット方法だ。
では、なぜ刺激されたことで脂肪が燃えるのだろうか?
生き物には細胞を修復させる力がある。トカゲの尻尾はちぎれてしまうと再び同じように再生する。ちぎれた尻尾は一時の間、動いているのだ。うねうね~と動いている…。
なぜ動く必要があるだろうか?
ちぎれた尻尾が動く理由は敵から逃げるためだ。うねうね動く尻尾に気を取られているうちにトカゲの本体は逃げる。生きる知恵だ。
人の場合はトカゲほどの再生ができない。しかし傷口は修復する力はある。この能力がなければ傷がついた身体は一生そのままになる。
このように生き物には能力に差があるものの、傷ついた細胞を治す能力が備わっているのだが、回復させるために重要なタンパク質がいるのだ。そのタンパク質とは、ストレスを感じると身体能力が高まる「ヒートショックプロテイン」だ。
高温反復浴の消費カロリーはどのくらい?
身体がストレスを受けることで回復能力があがる。ヒートショックプロテインを引き起こして消費量を高くすることができる。
身体に負荷をかければなんでもよいのだが、効率がよい方法が「熱いお湯に入る」こと。熱いお風呂に入ってしまうと身体はストレスを感じて代謝を活発化させる作用がある。
代謝が上がるということは消費するカロリーが増えることを意味するのだが、気になるのはどのくらいの消費カロリーになるのかということ。
消費カロリーは20分ほどで400Kcal減になる。短時間で高い消費入浴が出来るのも高温反復浴の特徴の1つになる。
高温反復浴の入浴法のやり方「入り方」
熱いお湯でヒートショックプロテインが生み出されるわけなのだが、熱ければよいというわけではない。ゆでだこになるほどのお湯では細胞のダメージが大きすぎる。その前に熱すぎてお風呂の中に入れない。
お湯の温度と入浴時間
- 40℃「20分」
- 41℃「15分」
- 42℃「10分」
もしも60℃の超高温でお風呂を焚いてしまった場合は、上記の温度になるまで「森のくまさん」でも歌いながら冷めるのを待つとよい。別に「どんぐり」の歌でも「世界に一つだけの花」でも大丈夫だ。
高温反復浴の入り方の目安
高温反復浴をおこなうにあたり重要なことがある。それは「水分を摂る」ことだ。これからおこなう入浴は、「いっいゆ~だ~な♪バババン♪いっいゆ~だ~な♪バババン♪」などと愉快な入浴にはならないからだ。
身体に負荷をかけるため水分をしっかりと飲んでおくことが大切だ。
- 5分入浴
⇒ じっくりと熱いお湯に身体を浸す - 5分休憩
⇒ 熱くなった身体を休ませる。体を洗うとよい - 5分入浴
⇒ じっくりと熱いお湯に身体を浸す - 5分休憩
⇒ 熱くなった身体を休ませる。頭を洗うとよい - 5分入浴
⇒ 再びお風呂に浸す
この入浴法により消費するカロリーは約150Kcalだ。休憩を間に入れることでのぼせるなどの危険なリスクを抑える。150Kcalは1時間の散歩に同等する。また、1週間で1kgほど落とす人もいる。
高温反復浴の頻度はどのくらい?何回?
高温反復浴の頻度はどのくらいがよいのだろうか?毎日のお風呂でしなければいけないのだろうか?
そんなことはない。
ヒートショックプロテインが増加するのは熱いお風呂に入ってから2〜3日後がピークである。この間隔を活かしてあげればよいのだ。効率的に高温反復浴で痩せることができる。
例えば、月曜日に高温反復浴を行うと水曜日か木曜日にピークを迎えることになる。金曜日に再び高温反復浴をおこなえばよい。
つまり、週に2回入ることで増加した状態が継続する。無理せずにサイクル化することが可能だ。
高温反復浴の注意点
身体に負荷をかけて、その刺激により代謝をあげる高温反復浴だ。注意することはないのだろうか?
もちろんある。水分補給以外にも気をつけなければいけない部分があるのだ。
- 風邪などで身体が弱っている場合は控える
- 食後30分以上経たないと消化不良の原因になる
- 貧血の場合や妊娠中は辞める
- 血流を向上させるため血圧が上昇する
- 心臓や血管に負担がかかる
- 水分補給をしっかりする
- 薬などを飲んだ直後は辞める
とくに血圧の上下には気を付けることが大切だ。身体の異変や具合が悪くなった場合はすぐに入浴を中止すること。
まとめ 高温反復浴は身体に負荷をかけて痩せる方法
熱めのお湯は交感神経を高めるため、大量の汗をかくことで新陳代謝が活性する。その結果、血行が促進され身体の循環機能が向上。
高温反復浴は人間がそもそも持っている機能を利用したダイエット法だ。しかし危険もあるため無理をしないことが重要だ。
このダイエット方法に「熱ければ熱いほど我慢する!俺は江戸っ子でい!」の根性はいらない。